散る桜 残った桜も 散る桜
良寛の有名な句です。なぜか最近は桜の季節になると桜の花を歌った寂しさが漂う短歌が頭の中で去来する。思えば下名、すでに人生の青春、朱夏、白秋をとっくの昔に通り過ぎて玄冬に至っている。寂しさを感じるのも当然か?
今年は近くの神社仏閣の桜を沢山写したのでその一部を紹介。
国の重要文化財 金色誕生釈迦仏立像(奈良国立博物館にて常設展示)がある。
600年前の室町時代から栄えた。枝垂れ桜と池の鯉の調和が素晴らしい。
花誘う 嵐の庭の 雪ならで 降り行くものは 我が身なりけり 入道前太政大臣
花のいろは うつりにけりな いたずらに 我が身世にふる 眺めせしまに 小町
長誓寺(愛知県一宮市)
本堂は名古屋城三の丸にあった尾張藩の重臣、渡辺半蔵の書院を移築したもの。樹齢200余年の枝垂れ桜で有名。根周り3.3m、高さ10m、枝張り東西、南北約10m
明日ありと 思う心の あだ桜 夜半に 嵐の吹かぬものかは 親鸞
ねがわくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月のころ 西行
圓福寺(愛知県 春日井市)
天台宗養老七年(732)開創と伝えられる。本堂本尊阿弥陀如来、観音堂本尊十一面観世音、山門には木造仁王像があり。
行きくれて 木の下影を 宿とせば 花や
今宵の 主人ならまし 平家物語 忠度
坂下神社(愛知県春日井市)
文禄元年創立
御祭神 譽田別命(ほんだわけのみこと)
世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし 業平
内々神社(愛知県春日井市)
景行天皇の御代日本武尊が日本全国平定に東国に出かけた帰り道、下街道(信州から東海道に出る為)を通りこの地に差し掛かった時、副将軍(尾張地区の祖、建稲種命)が駿河の海で水死した報を受け嘆き悲しみその霊を祀ったのが始まりと伝わる。
敷島の 大和心を 人と問わば 朝日に匂う 山桜花 本居 宣長